日本経済新聞さんが、ソフトバンク、「LTE」網整備を前倒し iPhone向け という記事が掲載されていました。
記事によると、ソフトバンクモバイルが、来年夏に予定していた、プラチナバンド(900MHz帯)でのLTEの提供を、来年4月に前倒しするとのことです。
ドコモとauは、800MHzのプラチバンドでLTEを提供しており、iPhone 5c、5sは、このバンドに対応しています。
ソフトバンクの900MHzにも対応していますが、まだこの帯域でのLTEサービスは提供しておらず、来年夏からの提供を予定していました。
ソフトバンクユーザとしては、すぐにでもやって欲しいですが、そう簡単ではありません。4月から提供というのも、道は険しいかも…
ITProさんの記事によると、
同社が保有するBand 8の900MHz帯も新iPhoneのLTE対応バンドとなったが、このバンドをLTE向けにフルに活用できるようになるのは時間がかかりそうだ。現時点でこのバンドはRFIDの移行などの作業が伴っているため5MHz幅しか利用できない。3Gユーザーを支えながらのLTE移行は当面は難しいと考えられる。
とのこと。
現在ソフトバンクが使用できるのは、5MHz幅のみ。それ以外にも認可されている帯域があるのですが、まだ他の機器(トラック無線やトランシーバーなどで使用される「MCA」とICチップなどで使用される「RFID」)が使用してる周波数とバッティングしているため、利用できないそうです。
総務省は、「MCA」と「RFID」が現状の帯域を明け渡す期限を2018年3月末としていますが…
ソフトバンクではその予定を約4年前倒しし、2014年3月末までに全ての対象機器を新たな環境に移行できるよう、機器メーカーや機器を使用している事業者と協議を行い、移行を進めているという。
(中略)
本来、移行に伴う事業所の工事費や機器のコストなどの設備投資負担は、ソフトバンクが引き受けるという。総務省などの周波数利用移行計画に対して各事業者・利用者(免許人等)が自己負担で移行を行うものだが、それを民間会社が推進して、かつ民間会社が費用を負担することで進めるというのは、史上初の取り組みなのだという。
本来2018年が期限の移行作業を、自腹で2014年に前倒しするというもの。
この移行が終われば、ソフトバンクは、15MHz幅×2の帯域が利用できるようになります。
予定では、2014年3月末までにこの移行を完了し、夏から900MHz帯でもLTEを提供するはずでしたが、前倒しして4月からとなったわけです。(移行作業に、全く猶予がなくなった…)
本当に3月末でこの移行が完了できるのか? 上記の「史上初の取り組み」について、ソフトバンクは「非常に厳しい挑戦だが、必ず計画通り進めたい」としていますが、なんとかやり遂げて欲しいですね。
ただ、プラチナバンドのLTEが始まっても、すぐにauに追いつけるわけではないとは思いますが。
(いまの2.1と1.7MHz強化も進めて欲しい…)